入院してからは、できるかぎり面会に行くようにした。
午前中は調子が優れないことが多いと言っていたので、
休みの日でもできるだけ午後から夕方ぐらいに行くようにした。
ダンナは私を気遣って、毎日は来なくてもいいと言ったが、
私は自分の行きたいときに行くから気にしなくていいよ、と答えた。
でも、私と話すと安心する、と言ってくれたのが嬉しかった。
面会のときには、できるだけ話を聞くようにした。
症状については先生にきちんと伝えるように、それだけは毎回言った。
処方されている薬の副作用なのか、体も頭も重くだるい感じで、
昼間もほとんど横になっていることが多かったようだ。
何冊か本も持って行ったけど、ほとんど読めなかったらしい。
私がいちばん心配したのは先生との相性だった。最初の診察のとき、彼が話すのを遮ったり、急かしたりすることがあったので、入院中も症状や意見をちゃんと伝えられているのかが不安だった。
ただ、お互い人間だし、始めのうちはまだなんとも言えないので、しばらく様子をみることにした。
あまりにも合わないようなら変えてもらうから大丈夫、と彼にも伝えた。
結局、その点は問題ないようだった。まぁベストではなかったようだが。
それと、精神科という独特の雰囲気に抵抗を感じているようだった。
というよりも、そこに自分が馴染んでしまうことを恐れているようだった。
あまりにも居心地が悪いようなら、かえってストレスを貯めてしまうことになるし、任意入院という形をとっているので、どうしてもダメなら退院か転院を考えよう、ということにした。
それも日が経つにつれ、だんだん緩和されているようだった。それなりに他の患者さんとも会話をしているようだ。
入院し始めたときから、退院後のことをずっと気にかけていた。
今はとにかくゆっくり休んでいればいい、と言ったものの、
それがうまくできない、とまた気にしているようだった。
たしかに、以前から、ぼーっとするとか適当にするとかいうことができない人だった。休むということが下手な人だ。だから、こうして無理矢理にでも、休む時間を体が作ってくれたんだろう。
2週間ほど経って、病院の敷地内なら付き添いなしで外出ができるようになった。
ジュースを買って外のベンチで話すのが面会のときの習慣になった。
3週間目には外泊の許可も出た。1泊2日の帰宅はあっという間で何をしたのかよく覚えていない。
それから約1週間後、入院から約1ヵ月後、思っていたよりも早く、退院の許可が出た。
夏本番の7月半ばだった。
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