入院中の生活リズムにできるだけ沿うようにした。
100%はやはり難しいけど、できるだけ、できる範囲で。
薬の影響か、午前中はだるさが抜けないようだ。とにかく暑いので、冷房の効いた部屋で横になっている。
午後からは比較的よく、たわいない会話をしたり、洗濯物を畳んでもらったりした。
ある日、ダンナが掃除機をかけ始めたので任せていたら、
突然大きな音がして「チクショー!」と叫んで立ち尽くしていた。
思うように身体が動かず、手が震えてきたらしい。こんなこともできないのかと悔しかったのだと後で話してくれた。
早く治りたいという気持ちは誰よりも本人がいちばん強い。
そして、思うようにはよくなっていかないという焦りも。
このままずっとこの状態が続くんじゃないかと思うと怖い。
何度も彼の口から聞いたけれど、それは一時的な症状で、必ずいつかよくなるよ、無理しないで、と言うのが精一杯だった。
相変わらずの抑うつ感。退院から2週間ほど経ったある日、彼はお兄さんに症状のつらさを訴えるメールを送った。心配したお兄さんとお父さんから連絡があり、それからほどなく、大分の実家へ帰ることになった。
夏真っ盛りの8月上旬。
帰る直前にクリニックへ報告に行き、2週間分の薬を処方してもらう。
実家に帰ってからも、午前中は横になっていることが多いようだった。
とりあえず、大阪ほど暑くはないので、少しは過ごしやすそうだ。
夕方はときどき散歩に出たりしているとか。
向こうの医者とはわりと相性がいいらしく、安心した。
1ヶ月ほどして、薬の処方が変わる。
抗うつ剤の量が増えたのと、抗不安剤が新しく処方された。睡眠剤も変わったらしい。
処方が変わってからは、今までよりも調子がよさそうだ。
これまであった身体のだるさが随分抜けたらしい。電話で話していても、前向きな言葉が少しずつ出てくるようになった。
薬の効果が初めて感じられた。処方が変わったからなのか、今まで飲み続けてきた効果がようやく出てきたのか、詳細はよくわからないが、とにかく、本人も家族も、薬に対する抵抗がやっとなくなってきた。
そういえばダンナはもともと薬が効きにくい体質だった。風邪を引くと一週間は必ず引き摺った。とにかく、自分でできる努力をしようという意思が出てきたことは私にとってもとてもうれしいことだ。
実家は田舎の農村なので、周囲に何もなく、そろそろ退屈してきたらしい。
病状が少しではあるが良くなっていることもあり、近々帰ってくることになった。
そして現在に至る。
回復の兆しが見えたとはいえ、まだまだ気が抜けない。
うれしいのと不安とで複雑だけど、今は今できることをやっていくしかないんだと思う。
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